鹿の全身骨格標本を作製しているので、骨格の紹介をしていきます。骨格を知っていると解体の時、関節を楽に外せるようになります。
なお、独学ですので間違ってたらすいません(;^^)
鹿成獣の頸椎
頸椎とは首の骨のことです。頸椎は7つの椎骨で構成されています。写真左側が頭蓋骨側です。なお写真は雌鹿の骨です。
- 環椎(第一頸椎)
- 軸椎(第二頸椎)
- 第三頸椎
- 第四頸椎
- 第五頸椎
- 第六頸椎
- 第七頸椎
頭蓋骨側の関節が凸、胸椎側が凹になっていてそれぞれが連なっています。
頸椎 背側
頸椎 胸側
各椎骨 背側
各椎骨 横から
鹿幼獣の頸椎
基本的には成獣と同じですが関節部分の骨化が進んでいません。写真の骨は雄鹿です。
- 環椎(第一頸椎)
- 軸椎(第二頸椎)
- 第三頸椎
- 第四頸椎
- 第五頸椎
- 第六頸椎
- 第七頸椎
関節部分は骨化が進んでおらず円形の骨が剥がれます。本来は軟骨でくっついていますが標本作成途中で剥がれてしまいます。
例えば下の写真は第三頸椎です。円形の骨はそれぞれがパズルのようにぴったりとはまります。凸側が頭蓋骨側です。
凹側が胸骨側です。
成獣と幼獣の頸椎比較
成獣と幼獣の頸椎の比較です。成獣の方が一回り大きいです。
環椎(第一頸椎)
左が成獣、右が幼獣です。頭蓋骨から繋がっています。幼獣の環椎は背側が骨化しておらず縦に筋が入っています。
軸椎(第二頸椎)
第三頸椎
第四頸椎
第五頸椎
第六頸椎
第七頸椎
胸椎に繋がります。
解体時の頸椎の刃の入れ方
基本的には解体時に頸椎を切る必要はありません。そもそも頸椎は関節を守るように骨が入り組んでいるため刃を入れるのが難しいです。
切断する必要がある場合はノコギリで切断した方がよいでしょう。
なお、頭蓋骨と頸椎を切り離す場合は、頭蓋骨と環椎(第一頸椎)で切り離します。詳しくは頭部編で解説する予定です。
参考文献
書籍
鹿の骨格の3Dデータが有ります。
ニホンカモシカは牛の仲間ですが骨格が酷似しているため参考にさせてもらいました。
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