前に外部寄生虫についていろいろ書いたけどダニ等の吸血性の寄生虫よりもやっかいなのがハエ。死臭を嗅ぎつけて卵や蛆を産んでいく。特に近年は気温上昇のせいで湧きやすい気がする。
次の写真は9月上旬朝10時。見に行ったら死んでた。気温約31℃、死後2時間くらい。卵を口内に産み付けられていた。
普通はハエは鹿が死んでから卵を産み付けるように思うけど、生きていてもくくり罠のワイヤーや箱罠での傷口が腐っていればそこに産み付ける。なお、キンバエ・クロバエは卵を産み付けるがニクバエは直接幼虫を産み付ける。トラックで運搬中に産み付けられたりしている人もいる。写真はたぶんクロバエの卵だと思う。
おもしろいことに、この蛆や卵を見て「ぬか」が付着していると勘違いしている猟師が結構いる。色は似ているけど・・・ちゃんと見ましょう。
運搬中に蛆や卵が付いた場合もあるけれど基本、死んでいたか弱っていた鹿なので精肉はできない。それに蛆や卵は駆除が結構面倒で駆除し損ねると蛆が一次処理中に這いずり回って肉に移動したり、手袋に付着した卵が肉に移って孵化したりと厄介である。またダニ等と違って肉に潜り込んでいくのも困る。
駆除はいろいろ試してみたけど、どれも毛の奥には効果が効きにくいのでやるなら念入りにする必要がある。
- 洗浄・・・・・・・落ちにくい。殺してからでないと排水溝で孵化して恐ろしいことになる。
- 殺虫剤・・・・・・蛆には効くが卵には効果が無い。
- 熱湯を掛ける・・・湯が大量に必要。60度以上の給湯設備が望ましい。
- バーナーで焼く・・一番効果的。場所や設備などで使用が制限される。
ちなみに蛆が湧いていた場所は次の順で多かったと思う。※絶対数が少ないのとうろ覚えなのであんまり信用しないでください。
- くくりのワイヤーの締め付け部分の傷口、主に手足
- くくりのワイヤーがすれた場所、脛、もも、腕等
- 尻、箱罠内で暴れたりワイヤーで傷ついたと思われる
- 尻尾の切断面、運搬中などに産み付けられている
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