市販されているIoTの罠センサーは月額制なのでランニングコストがかかる。ランニングコストをかけたくないので自作してみた。
どうやって作るのか
古い使わないスマートフォンを罠センサーとして使用する。ほとんどの古いスマホにはイヤホンジャックがあるのでこれを利用。ポイントとしては2つ。
➤イヤホンケーブルを罠に繋ぎ、スマホからイヤホンプラグが抜けるとメールを送信するようにする。
➤SIMは月額無料の回線を使用する。※2022年11月現在ではdonedoneのみが該当
もう1年ほど使用しているがこれのメリットとデメリット。
材料
- スマートフォン
- SIMカード
- ウォールボックス
- モバイルバッテリー
- イヤホン
- 鍵
- 充電ケーブル
スマートフォン(android)
使用しなくなったスマートフォンを用意。以下を推奨。androidで作ります。iosはわかりません。
- イヤホンジャックがある(必須)
- au回線が使用できる(必須)※donedoneはau回線
- バッテリーが傷んでいない
- 出来れば防水
- 盗難されても構わない
SIMカード
月額0円のSIM。楽天モバイルも無料だったのに残念。
donedone月額0円は2022年10月2日をもって新規受付を停止。
ウォールボックス
電子機器をいれるので防水であること。100均のタッパーなどで代用可能だがスマホの通知ランプが見えたり、盗難のリスクがあるため中身が見えない物がいい。あと、黒の方がいいと思う。
モバイルバッテリー
スマホのバッテリー容量によるが、1週間ぐらいで0になる。いちいちスマホを持って帰るわけにはいかないのでモバイルバッテリーで充電をおこなう。容量は大きい方がいい。
×問題点
バッテリーが減ったら自動に充電または常時充電ができればいいのだが、モバイルバッテリーでは不可能。IoT専用バッテリーがあるけど上手くいかないと思う。他の方もいろいろしてるみたいです↓
イヤホン
イヤホンプラグが必要。錆びたりするので100均のイヤホンやイヤホン延長コードで十分。コードは黒色で太めの物を使用。環境に合わせて長さをカットする。
鍵
ウォールボックス用の鍵。盗難防止用だが気休め。
充電ケーブル
スマホとモバイルバッテリーを繋ぐのに使用。
作る
スマートフォンの設定
スマホを設定する。事前に初期化をしておく。
googleアカウントの登録
GmailとPlayストアを使用に必要。盗難のリスクがあるため専用のアカウントを作成。apkでインストールするなら要らないかも。
不要アプリの無効と削除
電池持ちを良くするため常駐アプリや、勝手に通信するアプリを無効または削除する。素のandroidは簡単だが、問題は3キャリアのスマホ。大量のゴミアプリが入っていて無効も削除もできない物がある。その場合はadbコマンドでアンインストールする。docomo端末はRemove-Carrier-Appを使用すれば楽。
本体設定の変更
- 音と振動をすべて0にする(必須)
- ロック画面の設定(必須)
- BluetoothのOFF
- NFCのOFF
- GPSはどっちでもよい※盗難時の追跡用に使える?
- その他要らない機能の無効化
アプリのインストール
マクロと通信遮断のアプリを入れる。taskerとかでも構わない。
- MacroDroid
- パケセーブ
MacroDroidの設定
罠の作動時にメールを送るようにする。以下の5つのマクロを設定してある。環境に合わせて内容の追加や変更を行う。
○定時連絡
端末が落ちてないか確認用。
●トリガー
- 指定曜日 12:00 月曜~日曜
●アクション
- 機内モードOFF
- トリガーまで待機:サービス圏内になったとき
- 待機30秒
- メールを送る:本文に端末のバッテリー残量
- 待機1分20秒
- 機内モードをONにする
○電池低下
バッテリーが減ったとき用。
●トリガー
- 電池50%以下 または 30%以下 または 10%以下
●アクション
- 機内モードOFF
- トリガーまで待機:サービス圏内になったとき
- 待機30秒
- メールを送る:本文に端末のバッテリー残量
- 待機1分20秒
- 機内モードをONにする
○罠作動
これがメイン。罠が作動したら変数を書き換えてメールを送る。
●トリガー
- ヘッドホンを取り外し時
●アクション
- 変数を設定 罠作動:True
- 機内モードOFF
- トリガーまで待機:サービス圏内になったとき
- 待機30秒
- メールを送る:本文に「罠が作動しました」
- 待機1分20秒
- 機内モードをONにする
○罠作動 定期通知
保険用。上記の罠作動でなぜかメール送信が失敗するときがあるため繰り返し送信させる。
●トリガー
- 一定間隔 1時間
●アクション
- 機内モードOFF
- トリガーまで待機:サービス圏内になったとき
- 待機30秒
- メールを送る:本文に「罠が作動しています」
- 待機1分20秒
- 機内モードをONにする
○罠リセット
変数をリセットする。
●トリガー
- ヘッドホンを挿入時
●アクション
- 変数を設定 罠作動:False
パケセーブ
電池消費を抑えるためいれる。無くても本体設定で同様のことが出来るがアプリを使った方が楽。設定は2つのみ。
- McroDroidのみ「画面OFF時に通信するアプリ」へ追加する。
- 自宅でのメンテナンス用に「Wi-Fi接続時は制限無し」にしておく。
組立てる
ウォールボックスに部品を組みんでいく。
イヤホンがまっすぐ抜けるようにスマホの位置と高さを調整する。高さは木の板などを挟み調整する。写真のスマホ(Uniheartz Atom)はケースにクリップが付いているので引っ掛けられる様にしてある。通常は100円ショップのファスナーテープをスマホと土台に貼り付けて固定すればいい。
同様にモバイルバッテリーもファスナーテープで固定する。
スマホとモバイルバッテリーを繋ぐ。
蓋をして鍵をかければ完成。
イヤホンを抜いて正常に動作するか確認する。
あとは設置に備えてスマホとモバイルバッテリーを充電しておく。スマホは機内モードにする。
設置
箱罠とくくり罠どちらにも使用できる。
箱罠に取り付ける場合は、雨や捕獲した動物が暴れても当たらないように取り付ける。取り付けるスペースがなければ木や棒を立てて固定する。
イヤホンケーブルを箱罠の蓋に結びつける。写真ではイヤホンコードを途中から釣り糸に結び直してある。見えないので赤い線で描いた。
罠を作動させてイヤホンプラグが抜けるか確認する。
くくり罠に付ける場合はイヤホンケーブルをワイヤーが引っ張られたら抜けるようにつける。よりもどしの部分などでいいとおもう。
バッテリー管理
バッテリーが少なくなってきたらモバイルバッテリーを作動させる。モバイルバッテリーの残量が空になってきたら持ち帰って充電するか別のに入れ替える。
この作業が専用機器と異なり面倒である。
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